預金保険機構 Deposit Insurance Corporation of Japan
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ホーム> 年報・Q&A等> 預金保険機構年報> 平成19年度 預金保険機構年報> V.資料編> 1.預金保険制度> (1)預金保険制度の概要
(1)預金保険制度の概要 (脚注)

保険関係の成立
      ②の対象金融機関が、③の対象預金等を受け入れた時点で、機構、金融機関と預金者の間で保険関係が預保法に基づき自動的に成立します。
 
対象金融機関
      預金保険制度の対象である金融機関は、次のとおりです。
    〔「(参考)預金保険制度の対象金融機関一覧」参照。〕
イ.銀行法に規定する銀行、ロ.長期信用銀行法に規定する長期信用銀行、ハ.信用金庫、ニ.信用組合、ホ.労働金庫、へ.信金中央金庫、ト.全国信用協同組合連合会、チ.労働金庫連合会
(注)
  • 現在、長期信用銀行法に規定する長期信用銀行は存在しません。
  • 上記金融機関の海外支店、政府系金融機関、外国銀行の在日支店は本制度の対象外です。
  • 商工組合中央金庫は、平成20年10月から預金保険制度の対象金融機関となります。
  • 農林中央金庫、農業協同組合、漁業協同組合等は「農水産業協同組合貯金保険制度」に加入しています。
  • 証券会社は「投資者保護基金」、生命・損害保険会社はそれぞれ「保険契約者保護機構」に加入しています。
 
対象預金等
      預金保険制度の対象である預金等は、次のとおりです。
    イ.預金、ロ.定期積金、ハ.掛金、ニ.元本補てん契約のある金銭信託(ビッグなど)、ホ.金融債(保護預り専用商品に限る)
    ただし、次の預金等は対象から除かれます。
    イ.外貨預金、ロ.譲渡性預金、ハ.募集債である金融債及び保護預り契約が終了した金融債、ニ.受益権が投資信託振替制度の対象である貸付信託、ホ.特別国際金融取引勘定において経理された預金(オフショア預金)、へ.日本銀行からの預金等(国庫金を除く)、ト.対象金融機関からの預金等(確定拠出年金の積立金の運用に係る預金等を除く)、チ.機構からの預金等、リ.無記名預金等
    また、次の預金等は保護の対象外となります。
    イ.他人(仮設人を含む)名義の預金等、ロ.導入預金等
 
保護の範囲
  1) 預金等の保護の範囲
      金融機関が破綻したときに預金保険で保護される預金等の額は、決済用預金(無利息、要求払い、決済サービスを提供できること、という3要件を満たす預金)に該当するものは全額、それ以外の預金等(「一般預金等」といいます。)については1金融機関ごとに預金者1人当たり元本1,000万円までとその利息等です。
    一般預金等のうち元本1,000万円を超える部分及び預金保険の対象外である預金等並びにこれらの利息等は、破綻金融機関の財産の状況に応じて支払われるため、一部カットされることがあります。
預金等の分類 保護の範囲
預金保険の
対象預金等
決済用預金 当座預金、利息のつかない普通預金等 全額保護
一般預金等 利息のつく普通預金、定期預金、定期積金、元本補てんのある金銭信託(ビッグなど)等 合算して元本1,000万円(注1)までとその利息等(注2)を保護




1,000万円を超える部分は、破綻金融機関の財産の状況に応じて支払われます(一部カットされることがあります)




預金保険の対象外預金等 外貨預金、元本補てんのない金銭信託(ヒットなど)、金融債(保護預り専用商品以外のもの)等 保護対象外




破綻金融機関の財産の状況に応じて支払われます(一部カットされることがあります)




(注1) 当分の間、金融機関が合併を行った場合や、事業の全てを譲り受けた場合には、その後1年間に限って、保護される預金等の範囲は、預金者1人当たり元本「1,000万円×合併等に関わった金融機関の数」とその利息等となります。
(注2) 定期積金の給付補てん金、金銭信託における収益の分配のうち一定の条件を満たすもの等も利息と同様保護されます。
  2) 決済債務の保護の範囲
        資金決済に係る取引(為替取引、手形交換所における手形、小切手等の提示に基づき行われる取引、金融機関の自己宛小切手に係る取引)に関し、預金保険制度の対象金融機関が負担する債務(邦貨で支払われるものに限ります。)を決済債務(注)といい、全額が保護されます。例えば、金融機関が破綻前に顧客から振込みの依頼は受けているものの、顧客から受け入れた資金が破綻の時点で振込先へ移動していない取引に係る債務がこれに該当します。
    ただし、為替取引及び手形交換所における手形、小切手等の提示に基づき行われる取引のうち、預金保険制度の対象である金融機関や金融業を営む者の取引又はその委託に起因する取引による債務であって、金融機関等が業として行う取引又はその委託に起因する取引に関する債務は、決済債務に該当しません。
(注) なお、決済債務のうち、決済用預金または一般預金等として受入れられていないもの(仮受金等)を「特定決済債務」といいます。
 
預金保険料
  1) 概要
        預金保険料は、資金援助や保険金支払等の業務の原資であり、預金保険制度の対象金融機関が機構に納付します。預金保険制度の対象金融機関では、一般預金等及び決済用預金の別に、前事業年度の預金保険制度の対象預金等の残高(営業日平残)に預金保険料率を乗じて預金保険料を算出し、毎事業年度開始後3か月以内に機構に納付しています(半年毎の分割納付も可能です。)。
    預金保険料率は、運営委員会で決定のうえ、金融庁長官と財務大臣の認可を得て変更します。また、認可を受けた預金保険料率は官報により公告します。
  2) 最近の預金保険料率
        最近の預金保険料率をみると、平成17年度には、17年4月から預金保護の枠組みが定額保護に変わることを踏まえ、①全体の実効料率は現状の0.084%の水準を維持する、②全額保護の決済用預金と定額保護の一般預金等との間で、付保預金1円当たりの保険料が均一となるよう預金保険料率を算定する、との考え方と預金保険の対象預金の動向を踏まえ、「決済用預金」は0.115%、「一般預金等」は0.083%に変更しました。
    この基本的考え方は現在まで維持していますが、平成18年度には、17年度に一般預金等から決済用預金への預金シフトがみられたこと等から、「決済用預金」は0.110%、「一般預金等」は0.080%に変更しました。
    平成19年度には、預金保険料率は変更しませんでしたが、20年度には、19年度に決済用預金から一般預金等への預金シフトがみられたこと等から、「決済用預金」は0.108%、「一般預金等」は0.081%に変更しました。
〔詳細はU.4.(3)「預金保険料率の変更」参照〕
  預金保険料率の推移
  預金保険料率(注1) 実効料率(注2)
昭和46年度(制度発足時)〜 0.006% 0.006%
昭和57年度〜 0.008% 0.008%
昭和61年度〜 0.012% 0.012%
平成8年度〜 0.048% 0.084%
平成13年度 特定預金 その他預金等
0.048% 0.048%
平成14年度 0.094% 0.080%
平成15年度〜 決済用預金 一般預金等
0.090% 0.080%
平成17年度 0.115% 0.083%
平成18年度〜 0.110% 0.080%
平成20年度 0.108% 0.081%
(注1) 「特定預金」は、当座預金、普通預金および別段預金、「その他預金等」は、特定預金以外の定期性預金等。
「決済用預金」、「一般預金等」は、平成16年度まで、それぞれ「特定預金」、「その他預金等」と同じ(ただし、16年度は特定決済債務(預保法第69条の2第1項)を含む)。17年度以降は、「決済用預金」は、「無利息、要求払い、決済サービスを提供できること」の3要件を満たす預金および特定決済債務、「一般預金等」が決済用預金以外の定期性預金等。
(注2) 平成8年度〜13年度は、この間設定された特別保険料(預保法附則第19条第1項)の料率(0.036%)を含む。また、14年度は「特定預金」と「その他預金等」、15年度以降は「決済用預金」と「一般預金等」、各々の加重平均。
 
(脚注) ①〜⑤の詳細・経緯等については、「預金保険制度における主要な枠組みの変遷について」(『預金保険研究』第3号<機構、平成17年3月>)をご覧下さい。(『預金保険研究』は機構ホームページからご覧頂けます)
 
金融機関の破綻処理
      対象金融機関に保険事故が発生した場合には、保護の範囲内の対象預金等の保護を行います(定額保護)。ただし、対象預金等の全額保護等の金融危機対応措置を講じなければ、我が国又は対象金融機関が業務を行っている地域の信用秩序の維持に極めて重大な支障が生ずるおそれがあると内閣総理大臣が認めるときは、金融危機対応会議の審議を経て、金融危機対応措置が講じられることがあります。
    〔対象金融機関については、②「対象金融機関」、預金等の保護の範囲については、④ 1)「預金等の保護の範囲」、金融危機対応措置については、⑦「金融危機対応措置」参照。また、破綻処理方法の発展については、(3)「預金保険制度の拡充・整備経過」参照。〕
  1) 保険事故
        預金保険発動の原因となる事由(保険事故)には、金融機関の預金等の払戻しの停止(第一種保険事故)と金融機関の営業免許の取消し、破産手続開始の決定又は解散の決議(第二種保険事故)があります。
    金融機関に預金等の払戻しを停止するおそれがある場合や債務超過またはそのおそれがある場合には、主務大臣の業務停止命令により預金等の払戻しが停止し(第一種保険事故の発生)、預金保険を発動することになります。
  2) 保護の方式
        第一種保険事故が生じた場合には、保険金を預金者等に支払う方式(保険金支払方式)か、救済金融機関等に資金援助を行う方式(資金援助方式)により、対象預金等の保護を行います。保護の方式は、第一種保険事故発生後1か月以内(ただし、1か月以内で延長することがあります。)に運営委員会で決定しますが、保護に要する費用や破綻に伴う混乱を最小限にするため、資金援助方式が優先されます。
    一方、第二種保険事故が生じた場合には、破綻金融機関の金融機能が消滅するため、保険金支払方式による保護となります。
  3) 保険金支払方式による保護
        保険金支払方式による保護を行う場合には、機構は、破綻金融機関の預金口座の名寄せ等の準備が整い次第、預金者の請求に基づいて、保険事故発生日の保護の範囲内の預金等の額を保険金として支払います。ただし、担保権が設定されている預金等については、当該担保権に係る被担保債権が消滅するまで保険金の支払を保留することがあります。
    保険金の支払方法には、預金者等に直接支払う方法のほか、破綻金融機関以外の金融機関に預金を預け入れ、これを預金者等に譲渡する方法(預金設定方式)があります。
    保険金支払方式による保護を行う場合には、保険金の支払期間、支払場所、支払方法、支払取扱時間等を運営委員会で決定し、官報等により公告して預金者への周知を図ります。
  4) 資金援助方式による保護
        資金援助方式による保護は、合併、事業譲渡(一部譲渡を含みます。)、付保預金移転又は破綻金融機関の株式の取得(以下、「合併等」といいます。)により破綻金融機関の付保預金等を引継ぐ救済金融機関等に、保険金支払方式による保護を行う場合に要すると見込まれる費用(以下、「ペイオフコスト」といいます。)の範囲内で資金援助を行うものです。資金援助の方法には、金銭の贈与、資金の貸付け又は預入れ、資産の買取り、債務の保証、債務の引受け、優先株式等の引受け等及び損害担保(いわゆるロスシェアリング)があります。また、救済金融機関が事業の一部譲渡又は付保預金の移転を受ける場合には、機構は、譲渡されない債権者に対する弁済額を確保し債権者間の衡平を図るため、破綻金融機関に金銭の贈与による資金援助を行います(衡平資金援助)。
    資金援助方式による保護を行う場合には、機構は、救済金融機関等(金融庁長官による合併等に関する適格性の認定(注)または合併等のあっせんが必要です。)と破綻金融機関の連名での資金援助の申込みを受けて、資金援助の可否、資金援助の額、方法等を運営委員会で決定のうえ、救済金融機関等や破綻金融機関と資金援助に関する契約を締結します。決定にあたって、運営委員会では、機構の財務状況並びに資金援助に要すると見込まれる費用及びペイオフコストを考慮し、機構の資産の効率的な利用に配意します。
(注) 適格性の認定には、次の3要件をすべて満たす必要があります。
当該合併等が行われることが預金者等その他の債権者の保護に資すること。
機構による資金援助が行われることが当該合併等を行うために不可欠であること。
当該合併等に係る破綻金融機関について、合併等が行われることなく、その業務の全部の廃止又は解散が行われる場合には、当該破綻金融機関が業務を行っている地域又は分野における資金の円滑な需給及び利用者の利便に大きな支障が生ずるおそれがあること。
  5) 仮払金の支払
        保険事故が生じた場合には、預金者の普通預金残高(元本のみ)について、1口座につき60万円を限度として、預金者の請求に基づいて、仮払金の支払を行うことがあります。
    仮払金の支払は、保険金の支払(保険金支払方式による保護の場合)又は付保預金の払戻し(資金援助方式による保護の場合)までにかなりの日数を要すると見込まれ、預金者の当座の生活資金等が必要となる場合に行うものです。仮払金の支払を行うかどうかは、保険事故発生後1週間以内に、機構が、運営委員会で決定します。また、仮払金の支払を行う場合には、仮払金の支払期間、支払場所、支払方法、支払取扱時間等を運営委員会で決定し、保険金の支払いと同様に、官報等により公告して預金者への周知を図ります。
  6) 預金等債権の買取り
        保険事故が生じた場合には、保護の範囲外である預金等については、破綻金融機関に係る更生手続、再生手続又は破産手続(以下、「更生手続等」といいます。)において弁済が行われますが、これらのうち一般預金等の元本1,000万円を超える部分及び外貨預金の元本並びにその利息等(ただし、担保権が設定されている預金等は除きます。)については、預金者の請求に基づいて、買取りを行うことがあります。
    預金等債権の買取りは、破綻金融機関の清算配当金の弁済前の早期に、預金者等に対して破綻による損失の分担を求めつつ、預金者等に対する流動性の確保を図るための制度であり、預金等債権の額に、機構がその都度定める一定の率(概算払率)を乗じて計算した金額(概算払額)を、買取りを請求した預金者等に支払う(概算払)ことにより、預金等債権を買取ります。
    また、機構が買取った預金等債権を破綻金融機関から回収した場合において、回収額が、概算払額と機構が預金等債権の買取りに要した費用等の合計額を超えるときは、超過額を預金者に支払います(精算払)。
    預金等債権の買取りを行うかどうかは、機構が、運営委員会で決定します。また、概算払率は、運営委員会で決定のうえ、金融庁長官と財務大臣の認可を得ます。
    預金等債権の買取りについて認可を得た場合には、預金等債権の買取りに係る買取期間、買取場所、概算払額の支払方法、買取取扱時間等を運営委員会で決定し、官報等により公告して預金者への周知を図ります。精算払を行う場合にも、支払額、支払期間、支払方法等は、運営委員会で決定し、官報等により公告します。
  破綻金融機関の預金等の取扱いイメージ
破綻金融機関の預金等の取扱いイメージの図
  7) 預金者代理制度
        破綻金融機関に係る更生手続等においては、預金者等の権利の実現を確保しつつ更生手続等の円滑な進行を図るため、更生特例法により、原則として、機構が、預金保険制度の対象預金等の預金者等を代理して更生手続等に参加します。
    機構は、預金保険制度の対象預金等の預金者等を代理して更生手続等に参加するにあたり、公平誠実義務及び善管注意義務を負っています。
 
金融危機対応措置
  1) 概要
        次の金融危機対応措置を講じなければ、我が国又は対象金融機関が業務を行っている地域の信用秩序の維持に極めて重大な支障が生ずるおそれがあると内閣総理大臣が認めるときは、金融危機対応会議の審議を経て、金融危機対応措置が講じられることがあります。
措置の内容 対象金融機関
①資本増強(機構による自己資本充実のための株式等の引受け等) 金融機関(破綻金融機関又は債務超過の金融機関を除きます。)
②ペイオフコストを超える資金援助 破綻金融機関又は債務超過の金融機関
③特別危機管理(機構による株式の取得、ペイオフコストを超える資金援助) 破綻金融機関であって債務超過の銀行
  2) 資本増強
        金融庁長官の資本増強実施の決定(注)(財務大臣の同意が必要)により、機構が、対象金融機関又はその持株会社が発行する普通株式、優先株式、劣後特約付社債等を引受け、対象金融機関の資本を増強します。
(注) 対象金融機関が、労働金庫又は労働金庫連合会である場合には、金融庁長官及び厚生労働大臣の決定、株式会社商工組合中央金庫(平成20年10月以降)である場合には、金融庁長官、財務大臣及び経済産業大臣の決定となります。
  3) ペイオフコスト超の資金援助
        機構は、合併等の対象となる救済金融機関に対し、ペイオフコストを超える資金援助を実施することができます。これにより、預金等の全額保護が可能となっています。
  4) 特別危機管理
        特別危機管理は、ペイオフコストを超える資金援助だけでは、我が国又は対象金融機関が業務を行っている地域の信用秩序の維持に係る支障を回避することができないと認められる場合に限り実施することができます。特別危機管理においても、機構は、ペイオフコストを超える資金援助を実施することができ、預金等の全額保護が可能となっています。
    特別危機管理が実施される場合、機構は、金融庁長官の決定により、対象銀行の株式を取得するとともに、金融庁長官の指名に基づき、取締役、監査役等を選任します。
    特別危機管理は、合併、事業譲渡又は株式の譲渡により、可能な限り早期に終了させるものとされています。
  5) 危機対応勘定と負担金
        資本増強やペイオフコストを超える資金援助のペイオフコスト超過分相当額は、一般勘定ではなく、危機対応勘定において区分経理します。
    危機対応勘定の欠損金は、金融機関の負担金で賄うこととされており、金融庁長官及び財務大臣が負担金納付の必要があると認めるときは、金融庁長官及び財務大臣が定める負担金の負担率及び納付期間に基づき、金融機関が負担金を機構に納付します。負担金は、預金保険制度の対象である金融機関の前事業年度末における負債の額(引当金、取引責任準備金等を除きます。)に負担率を乗じて算出します。
    ただし、政府は、負担金のみで危機対応勘定の欠損金を賄うとすると、金融機関の財務の状況を著しく悪化させ、我が国の信用秩序の維持に極めて重要な支障が生ずるおそれがあると認められる場合に限り、機構に対し費用の一部を補助することができます。
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