| (1) 預金保険制度の役割と運営主体 |
預金保険制度とは、金融機関が預金等の払戻しができなくなった場合などに、預金者等(以下、「預金者」といいます)を保護し、また資金決済の確保を図ることによって、信用秩序の維持に資することを目的とする制度です。
我が国の預金保険制度は、「預金保険法」(昭和46年制定)により定められており、政府・日本銀行・民間金融機関の出資により設立された預金保険機構が制度の運営主体となっています。
預金保険機構の業務は、(1)預金者保護等のセーフティネットとしての預金保険制度の運用、とりわけ預金保険の保険料徴収・金融機関の破綻処理に伴う資金援助及び保険金支払等と金融機関検査の業務、(2)金融整理管財人等としての破綻金融機関の管理・処分等の業務、(3)整理回収機構(RCC)に委託等した不良債権の整理・回収等の業務、(4)健全金融機関等を対象とした資本増強の業務、(5)破綻金融機関の旧経営者等に対する民事・刑事両面にわたる責任追及業務、の5分野に大別することができます。これらの業務を着実に遂行するため預金保険機構の子会社として、(株)整理回収機構及び(株)第二日本承継銀行を設立しております。
また、以上のほか、犯罪利用預金等に係る資産による被害回復分配金の支払等に関する法律(「振り込め詐欺救済法」)が平成20年6月21日に施行されたことに伴い、振込詐欺被害者の救済手続に係る業務が新たに加わっております。
預金保険機構は、平成20年4月1日現在、7部(総務部、財務部、金融再生部、預金保険部、特別業務部、検査部、大阪業務部)、2室(法務統括室、監査室)を有し、役職員定員は、365名です。預金保険機構の運営に関する重要事項の議決を行う意思決定機関として「運営委員会」が設置されており、委員会は、金融に関して専門的な知識と経験を有する委員(8名以内、現在8名)並びに預金保険機構の理事長(運営委員会委員長)及び理事(4名)をもって構成されています。
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| (2) 対象金融機関 |
預金保険制度の対象となる金融機関は、日本国内に本店のある下の金融機関です。
預金保険制度の対象金融機関に預金等をすると、預金者、金融機関及び預金保険機構の間で自動的に保険関係が成立します。預金保険制度の原資となる保険料は、対象金融機関が、預金量等に応じて、毎年、預金保険機構に納付します。
銀行法に規定する銀行、長期信用銀行法に規定する長期信用銀行、信用金庫、
信用組合、労働金庫、信金中央金庫、全国信用協同組合連合会、労働金庫連合会、商工組合中央金庫 |
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(注)
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上記金融機関の海外支店、政府系金融機関、外国銀行の在日支店は預金保険制度の対象外。 |
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〈参考〉預金保険制度以外の預金者等保護制度について
・ 農林中央金庫、農業協同組合、漁業協同組合等は「農水産業協同組合貯金保険制度」に加入して
います。
・ 証券会社は「投資者保護基金」、生命・損害保険会社はそれぞれ「保険契約者保護機構」に加入
しています。
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(3) 対象預金等
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預金保険の対象となる預金等の範囲は、次のとおりです。
| 預金(当座預金、普通預金、別段預金、定期預金、通知預金、納税準備預金、貯蓄預金)、定期積金、掛金、元本補てん契約のある金銭信託(ビッグなどの貸付信託を含みます)、金融債(保護預り専用商品に限ります)等 |
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(注)
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次の預金等は対象から除外されます。
外貨預金、譲渡性預金、金融債(募集債及び保護預り契約が終了したもの)、特別国際金融取引勘定において経理された預金(オフショア預金)、日本銀行からの預金(国庫金は除きます)、対象金融機関からの預金(確定拠出年金の積立金の運用に係る預金等を除きます)、預金保険機構からの預金、無記名預金、他人・架空名義預金、導入預金等 |
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(4) 預金等の保護の範囲
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| ○ |
金融機関が破綻したときに預金保険で保護される預金等(「付保預金」といいます)の額は、平成17年4月以降、保険の対象となる預金等のうち、決済用預金(無利息、要求払い、決済サービスを提供できること、という3要件を満たす預金)に該当するものは全額であり(恒久措置)、それ以外の預金等については1金融機関ごとに預金者1人当たり元本1,000万円までとその利息等となります。(注)
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| ○ |
預保険の対象となる預金等のうち決済用預金以外の預金等で元本1,000万円を超える部分及び保険対象外の預金等並びにこれらの利息等については、破綻金融機関の財産の状況に応じて支払われるため、一部カットされることがあります。
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(注)
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平成14年度においては、当座預金、普通預金、別段預金については、特定預金として全額保護となっていました。その後、平成14年の預金保険法の改正により、平成15、16年度においては、当座預金、普通預金、別段預金は決済用預金とみなされ、全額保護となっていました。 |
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平成14年4月〜平成17年3月末まで
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平成17年4月以降
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対預
象金
預保
金険
等の
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当 座 預 金
普 通 預 金
別 段 預 金
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全 額 保 護
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利息がつかない等の3要件を
満たす預金(注1)は
全額保護(恒久措置)
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定 期 預 金
定 期 積 金
ビ ッ グ
ワ イ ド 等
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合算して元本1,000万円(注2)までとその利息等(注3)を保護
1,000万円を超える部分は破綻金融機関の財産の状況に応じて支払われます
(一部カットされることがあります)
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預対
金象
等外
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外 貨 預 金
譲 渡 性 預 金
ヒ ッ ト 等
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保護対象外
破綻金融機関の財産の状況に応じて支払われます
(一部カットされることがあります)
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(注1)決済用預金といいます。「無利息、要求払い、決済サービスを提供できること」という3要件を満たすものです。
(注2)当分の間、金融機関が合併を行ったり、事業の全てを譲り受けた場合には、その後1年間に限り、当該
保護金額が1,000万円の代わりに、「1,000万円×合併等に関わった金融機関の数」による金額となります
(例えば、2行合併の場合は2,000万円)。
(注3)定期積金の給付補てん金、金銭信託における収益の分配等のうち一定の要件を満たすもの等も利息と同様保護
されます。 |
〈参考〉郵政民営化前の郵便貯金の保護について
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郵政民営化までに日本郵政公社に預け入れられた定額郵便貯金等(注)については、独立行政法人郵便 |
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貯金・簡易生命保険管理機構において管理され、政府による支払保証が継続されています。 |
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(注) 定額郵便貯金、定期郵便貯金、積立郵便貯金、住宅積立郵便貯金、教育積立郵便貯金等。
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(5) 決済債務の保護
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金融機関が行う資金決済に係る取引(為替取引、手形交換所において決済をすることができる手形、小切手等の提示に基づき行われる取引、金融機関が自己宛に振り出した小切手に係る取引)に関し金融機関が負担する債務を決済債務(注)といいます。例えば、金融機関が破綻前に顧客から振込みの依頼は受けているものの、顧客から受け入れた資金が振込先へ移動していない取引に係る債務がこれに該当します。
決済債務は、全額保護されます。
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(注)
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金融機関自身や金融業を営む者の委託に起因する取引による債務は、原則として決済債務に該当しません。ただし、金融機関が業として行う取引に関する債務でない場合等は、決済債務に該当します。
なお、決済債務のうち、決済用預金として経理されていないものを「特定決済債務」といいます。例えば、決済債務のうち、金融機関預金や仮受金等として経理されているものが、これに該当します。 |
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(6) 預金保護の仕組み
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金融機関が破綻したときの預金保護の仕組みとしては、
(1)他の健全な金融機関(救済金融機関)に営業譲渡等を行い、その際に、資金援助を行う方法
(資金援助方式)
(2)預金保険機構が預金者に直接保険金を支払う方法(保険金支払方式)
の2つの方式があります。これについては後程詳しく説明します。
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(7) 保険料
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保険料は、資金援助や保険金支払等の業務の原資(注1)となり、その料率は長期的に機構の財政
が均衡するよう定めることとされています。
預金保険対象金融機関は毎事業年度開始後3か月以内に保険料を機構に納付することが義務
付けられており(半年毎の分割納付も可能です)、保険料の額は前年度の預金保険対象預金残高
(営業日平残)に保険料率を乗じて算出することになっています。
保険料率は、全額保護の決済用預金(注2)と定額保護の一般預金等の各々について設定していま
す。なお、保険料率を定め、または変更するときは、運営委員会の議決を経たうえで、金融庁長官と
財務大臣の認可を得て、公告する手続をとることとなっています。
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(注1)
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保険料は、平成8年度から平成13年度までは一般の保険料と特別保険料の2種類がありました。このうち、特別保険料は、預金等の全額保護の特例措置に対応するため、ペイオフコスト(保険金を支払う時に要すると見込まれる費用)を超える資金援助(特別資金援助)の実施等の特例業務を行うことを目的に設けられたものです。当該特別保険料は預金等の全額保護の特例措置の終了に伴い平成13年限りで廃止されております。
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(注2)
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決済用預金とは、「無利息、要求払い、決済サービスを提供できること」という3要件を満たすものです。 |
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一般保険料率@
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特別保険料率*A
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昭和46年(制度発足時)〜
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0.006%
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昭和57年度〜
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0.008%
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昭和61年度〜
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0.012%
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計(@+A)
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平成8年度〜
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0.048%
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0.036%
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0.084%
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平成13年度
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特定預金
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その他預金等
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0.036%
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0.084%
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0.048%
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0.048%
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平成14年度
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0.094%
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0.080%
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平成15年度
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決済用預金
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一般預金等
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| 0.090% |
0.080% |
| 平成16年度 |
0.090% |
0.080% |
| 平成17年度 |
0.115% |
0.083% |
| 平成18年度 |
0.110% |
0.080% |
| 平成19年度 |
0.110%
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0.080%
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| 平成 20年度 |
0.108%
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0.081%
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*平成8年度〜13年度の間に限定(預金保険法附則第19条第1項、預金保険法施行令附則第3条第2項)
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