日本長期信用銀行(特別公的管理銀行)に対する特例資金援助、事業譲受けに係る資金援助(信組大阪弘容)

平成11年8月10日
預金保険機構

理事長談話

1. 日本長期信用銀行(特別公的管理銀行)に対する特例資金援助の件
(1) 当機構は、日本長期信用銀行より、平成11年7月21日付で資産の買取りによる特例資金援助の申込みを受けた。
(2) 上記特例資金援助の申込みの特徴は、次の3点である。
  1) 特別公的管理銀行に対する初めての特例資金援助であること
  平成10年10月23日に金融再生法が施行されたが、日本長期信用銀行は、同法第36条第1項に基づく内閣総理大臣による特別公的管理の決定、同法第38条第1項に基づく当機構による株式取得の決定が行われた第1号であり、今回、特別公的管理銀行に対して特例資金援助が発動されるのも初めてのケース。
  2) 金融再生委員会より「不適」判定を受けた資産のうち、買取条件が確定した大宗について、先行して買取りを行うこと
  金銭の贈与については、残り一部「不適」資産の買取タイミング等を睨みつつ実施の時期を検討。
  3) 資産の買取額(4,939億円)が既往2番目の規模になること
  これまでの、資産の買取りでは、北海道拓殖銀行(1兆6,166億円)のケースが最大。
(3) 当機構としては、平成11年8月6日に金融再生委員会および大蔵大臣により特別資金援助(ペイオフコスト超の資金援助、預金保険法附則16条)の必要性についての認定がなされたことを踏まえ、当該申込みの内容等を慎重に審査した上、本日、運営委員会を開催し、次の通り特例資金援助を決定した。
  平成11年7月21日付で日本長期信用銀行から申込みのあった特例資金援助について、次の通り実行すること(平成11年8月16日を予定)。
 

・日本長期信用銀行からの資産の買取り4,939億円
但し、「資産の買取り」については、預金保険法附則第10条第1項に基づき当機構から整理回収機構に委託すること。

2. 大阪庶民信用組合による信用組合大阪弘容の事業譲受けに係る資金援助の件
(1) 当機構は、大阪庶民信用組合(本店大阪市中央区)および信用組合大阪弘容(本店大阪府東大阪市)から、平成11年7月21日付で連名により事業譲受けに係る資金援助の申込みを受けた。
(2) 当機構としては、平成11年7月21日に金融再生委員会により資金援助の適格性の認定がなされたこと、および平成11年8月6日に金融再生委員会および大蔵大臣により特別資金援助(ペイオフコスト超の資金援助、預金保険法附則16条)の必要性についての認定がなされたことを踏まえ、当該申込みの内容等を慎重に審査した上、本日、運営委員会を開催し、次の通り資金援助を決定した。
  平成11年7月21日付で大阪庶民信用組合および信用組合大阪弘容から申込みのあった資金援助について、事業を譲り受ける日(平成11年8月23日を予定)に次の通り実行すること。
  • 大阪庶民信用組合に対する金銭の贈与    1,825億円
  • 信用組合大阪弘容からの資産の買取り            534億円
但し、「資産の買取り」については、預金保険法附則第10条第1項に基づき当機構から整理回収機構に委託すること。
3.

なお、本日議決した特例資金援助等を含めると、当機構がこれまで処理した案件は合計60件になり、資金援助額の累計は、金銭の贈与が6兆1,591億円、資産の買取りが3兆6,499億円、債務の引受けが40億円、貸付けが80億円となる。

当機構としては、今回決定した特例資金援助等が、円滑な受け皿金融機関決定や営業譲渡等の一助になるとともに、預金者保護および信用秩序維持に資することを強く期待している。

また、整理回収機構とは今後とも緊密に連携し、同機構による買取資産の整理回収業務が着実に成果を上げるよう、罰則付財産調査権の活用を含め、引続き強力に指導・支援して参る所存である。

<資料>

以上

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