第242回預金保険機構運営委員会議事要旨

議決日:平成26年3月24日(月) 10時30分~11時30分

議決事項

1. 預金保険料率を変更する件

預金保険の保険料率を以下のとおり変更すること。

(1) 預金保険の保険料率は、平成26年4月1日以降、次のとおりとする。
    一般預金等 0.081%
    決済用預金 0.108%
(2) 平成25事業年度内において、「内外の金融市場における価格の急速な下落その他金融市場の状況の急速な悪化等から、預金保険機構の財政に相当の影響を与えることが見込まれる事態」は生じていないことを踏まえ、上記(1)にかかわらず、平成26事業年度内において、①預金保険法第49条第2項各号に掲げる保険事故の発生、②同法第74条第1項若しくは第2項に規定する金融整理管財人による業務及び財産の管理を命ずる処分又は③同法第102条第1項第2号若しくは第3号に掲げる措置を講ずる必要がある旨の内閣総理大臣の認定がなかった場合には、預金保険機構は、上記(1)の保険料率で計算した保険料と、下記の保険料率で計算した保険料との差額を計算し、内閣総理大臣及び財務大臣の認可を受け、同事業年度末日以降、遅滞なく当該差額を利息を付さずに返還する。
    一般預金等 0.068%
    決済用預金 0.090%

これまでの経緯を振り返ると、平成24年3月の運営委員会では、当面3年間(平成24年度~26年度)の預金保険料率と、中長期的な預金保険料率からなる枠組みが議論された。この枠組みを前提に、平成24年度、25年度の預金保険料率は、実効料率0.084%を維持しつつ、年度内において預金保険制度に参加している金融機関の破綻がなかった場合には、実効料率0.014%分の保険料を返還することとされた。また、その枠組みでは、中長期的な預金保険料率について、「預金保険機構(一般勘定)の責任準備金については、基本的には、かつて生じた欠損金とならない水準を目指して、平成24年度から概ね10年程度を目途に積み立てることとし、その具体的な料率のあり方等については、それまでの積立状況やその時点の内外の諸状況を勘案しつつ検討を進める。」とされている。

 

以下、こうした枠組みの下で3年目となる平成26年度の預金保険料率を決めるにあたり、考慮すべき諸事情について検討する。

 

まず、機構の財政状況をみると、責任準備金については、平成14年度のマイナス4兆円をピークに責任準備金の欠損状態が継続した後、平成22年度にプラスとなり、平成25年度内に金融機関の破綻がなく預金保険料の返還が行われることとなった場合には、同年度末は1兆7千億円程度の水準となる見込みである。また、平成25年度の景気や金融市場の動向等、わが国の金融システムの状況をみると、内外の金融市場における価格の急速な下落その他金融市場の状況の急速な悪化等から、預金保険機構の財政に相当の影響を与えることが見込まれる事態は平成25年度内には生じていないと判断することができる。

 

次に内外の情勢をみると、わが国の金融システムは安定性を維持しているが、欧州債務問題に対する懸念は後退してきているとは言え、その帰趨についてはなお注意が必要と考えられる。また海外では、米国のみならず、欧州、アジア等でも金融システムの安定や預金者保護のため、預金保険制度の基金を拡充させる努力が続いている。

 

こうした状況を踏まえ、平成26年度の保険料率については、①平成24年度の保険料率を定める際に当面3年間(平成24年度~26年度)について一定の枠組みを設けていること、②中長期的な料率のあり方を巡る議論において平成27年度以降についても責任準備金を積上げていくことに一定のコンセンサスがあること、③諸外国において預金保険制度の基金を充実させる努力がたゆまず続けられていること、を考慮すると、金融システムの中核である預金保険制度を強固なものとして維持していく観点、それを通じてわが国金融システムに対する内外からの信認を確保していく観点からみて、平成24年度、25年度と同様の積上げペースを維持することが適当と考えられる。

 

従って、平成26年度の預金保険料率案は、(1)実効料率を0.084%とすること、(2)平成26年度中に預金保険制度に参加している金融機関の破綻がなかった場合には、年度末以降、遅滞なく0.014%部分の保険料を返還すること、ただし破綻があった場合には返還しないこと、としている。

 

なお、決済用預金と一般預金等の料率格差に関し、付保預金1円当たりの保険料が均一になるように算定するとの考え方については、引き続き維持することが適当であると判断し、対象預金等の動向に基づく平成26年度適用の預金保険料率(決済用預金に係る保険料率及び一般預金等に係る保険料率)を算定した。

 

本日の議案ではないが、平成27年度以降の中長期的な預金保険料率のあり方については、上述の枠組みの中で示された考え方を基本として、関係者が十分に意見を述べ議論できるような場を平成26年度入り後に設ける方針である。

  • 担当部長より、以下のとおり説明した。

  • 「議決事項(案)1.」について、運営委員に対し質問・意見を求めた上で審議を行い、原案どおり議決された。

2. 平成26事業年度予算及び資金計画に関する件

  • 担当部長より、平成26事業年度収入支出予算の総額、債務負担行為、弾力条項、借入金の限度額等を定めた「予算総則」及び各勘定の「収入支出予算、資金計画」並びにその執行後の年度末財務状況見込について説明した。

(単位未満切り捨て)

勘定 収入支出予算総額 財務状況見込
収入予算額 支出予算額 26年度
利益金(△損失金)・
責任準備金繰入
26年度末
責任準備金・
剰余金(△欠損金)
一般勘定 10,943億円 3,156億円 7,695億円 25,819億円
危機対応勘定 18億円 2,706億円 6億円 3,309億円
金融再生勘定 13,655億円 13,626億円 △72億円 △2,554億円
金融機能早期健全化勘定 2,962億円 2,903億円 69億円 15,960億円
金融機能強化勘定 240,127億円 241,084億円 97億円 249億円
被害回復分配金支払勘定 9億円 9億円 △1,446万円 △7,830万円
地域経済活性化支援勘定 30万円 671万円 △641万円 △2,742万円
東日本大震災事業者再生支援勘定 30万円 97万円 △67万円 △179万円
  • 「議決事項(案)2.」について、運営委員に対し質問・意見を求めたうえで審議を行い、原案どおり議決された。

3. 預金保険機構定款の変更に関する件

危機対応勘定における借入金及び預金保険機構債の発行限度額を、「17兆円」から「35兆円」に引き上げることとする。

  • 担当部長より、以下のとおり説明した。

  • 「議決事項(案)3.」について、運営委員に対し質問・意見を求めた上で審議を行い、原案どおりに議決された。

4. 金融機関からの特定回収困難債権の買取りを決定する件

本件は、金融機関の保有する特定回収困難債権について、当機構において買取りを行う制度であり、今般、金融機関から資産買取申込みのあったものについて買い取ることとする。

なお、買取りの対象となる特定回収困難債権については、買取りの適否及び買取価格について、第三者機関である買取審査委員会において審議され、当機構理事長に対して、適正である旨の意見をいただいている。

  • 担当部長より、以下のとおり説明した。

  • 「議決事項(案)4.」について、運営委員に対し質問・意見を求めた上で審議を行い、原案どおりに議決された。

5. 特定回収困難債権の買取りを整理回収機構に委託する場合の条件に関する件

  • 担当部長より、以下のとおり説明した。

    4.で説明した特定回収困難債権の買取りを整理回収機構に委託するに当たり条件を定めるものであり、その内容は、買取価格は当機構の提示する金額とすること、買取資産に係る利益が生じた場合は当機構への利益納付をすること、また損失については当機構から補てんすること等となっている。

  • 「議決事項(案)5.」について、運営委員に対し質問・意見を求めた上で審議を行い、原案どおり議決された。

報告事項

1. 中期目標(平成26~28年度)及び業務方針(平成26年度)について

  • 担当部長より、「当機構では、業務を的確に遂行する観点から、3ヵ年の「中期目標」及びそれを具体化した単年度の「業務方針」を作成・公表しているものである」としたうえで、主なポイントについて報告した。

2. 「議事規則に関する申合せ」の改正について

  • 担当部長より、預金保険機構の平成26年4月1日付組織改正に伴い、「議事規則に関する申合せ」について所要の改正を行う旨報告した。

以上

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