第九章 破綻した金融機関の業務承継

(承継銀行の設立等)

第五十七条    機構は、法第九十一条第一項又は第二項の規定による同条第一項第一号に掲げる決定があったときは、当該決定に係る出資の内容について委員会の議決を経て、承継銀行となる株式会社の設立の発起人となり、及び当該設立の発起人となった株式会社を子会社(機構がその総株主の議決権(株主総会において決議をすることができる事項の全部につき議決権を行使することができない株主の有する株式についての議決権を除き、会社法第八百七十九条第三項の規定により議決権を有するものとみなされる株式についての議決権を含む。以下この項において同じ。)の百分の五十を超える議決権を保有する会社をいう。)として設立するための出資をするものとする。
2    機構は、前項に規定する場合のほか、委員会の議決を経て、承継銀行に対する出資をすることができる。
3    機構は、前二項に規定する出資をしたときは、速やかに、その内容を内閣総理大臣及び財務大臣に報告するものとする。

(承継銀行の経営管理)

第五十八条    機構は、承継銀行が法第九十四条第一項各号に掲げる事項を適確に実施できるようその経営管理を行うものとする。
2    機構は、承継銀行の預金等の受払事務、資金の貸付けその他の業務についての指針を法第九十四条第二項各号に定めるところにより作成し、内閣総理大臣の承認を受けた後、公表するものとする。
3    機構は、承継銀行に対し、その経営に必要な指導及び助言を行うものとする。

(経営管理の終了等)

第五十九条    機構は、承継銀行が最初に業務を引き継いだ被管理金融機関に対する管理を命ずる処分の日から二年以内に、法第九十六条第一項各号に掲げる措置を講ずることにより当該承継銀行の経営管理を終えるものとする。ただし、やむを得ない事情によりこの期限内に当該経営管理を終えることができない場合には、一年を限り、この期限を延長することができる。
2    機構は、前項本文の規定による経営管理の終了又は同項ただし書の規定による期限の延長をしようとするときは、内閣総理大臣の承認を受けるものとする。
3    機構は、第一項の規定により承継銀行の経営管理を終了したとき又は承継銀行(承継銀行であった銀行を含む。)の株式の譲渡その他の処分(法第九十六条第一項第三号に掲げるものを除く。)を行ったときは、速やかに、その旨を内閣総理大臣及び財務大臣に報告するものとする。

(承継協定の締結)

第六十条    機構は、承継銀行と法第九十七条第一項各号に掲げる事項を含む協定(以下「承継協定」という。)を締結するものとする。
2    機構は、承継協定を締結したときは、直ちに、その承継協定の内容を内閣総理大臣及び財務大臣に報告するものとする。

(資金の貸付け及び債務の保証)

第六十一条    機構は、承継協定を締結した承継銀行(以下「協定承継銀行」という。)から、協定承継銀行の業務の円滑な実施のために必要とする資金について、その資金の貸付け又は協定承継銀行によるその資金の借入れに係る債務の保証の申込みを受けた場合において、必要があると認めるときは、委員会の議決を経て、当該貸付け又は債務の保証を行うことができる。
2    機構は、前項の規定による貸付け又は債務の保証の条件を定めようとするときは、金融機関の貸付金利その他の条件の動向を勘案して当該貸付け等に係る利率その他の条件を定めるものとする。
3    機構は、第一項の規定により協定承継銀行との間で同項の貸付け又は債務の保証に係る契約を締結したときは、直ちに、その契約内容を内閣総理大臣及び財務大臣に報告するものとする。

(債務の保証の対象となる資金の借入れに関する契約の承認)

第六十二条    機構は、協定承継銀行から、前条第一項に規定する債務の保証の対象となる資金の借入れに関する契約の内容についての承認の申請を受けた場合において、必要があると認めるときは、当該申請の承認をするものとする。

(保証債務の範囲)

第六十三条    第六十一条第一項の規定による債務の保証に係る保証債務の範囲は、借入金の元本、その利息及びその債務の不履行による延滞利息の合計額とする。

(債務の保証に係る保証料の徴収)

第六十四条    第六十一条第一項の規定による債務の保証に係る保証料の徴収については、別に定めるところによる。
2    機構は、前項の定めをしようとする場合には、内閣総理大臣及び財務大臣の承認を受けるものとする。これを変更しようとするときも同様とする。

(損失の補塡)

第六十五条    機構は、協定承継銀行に対し、承継協定の定めによる業務の実施により生じた損失の額として施行令第二十四条で定めるところにより計算した金額があるときは、委員会の議決を経て、当該金額の範囲内において、当該損失の補塡を行うことができる。

(報告の徴求)

第六十六条    機構は、この章の規定による業務を行うため必要があるときは、承継銀行に対し、承継協定の実施又は財務の状況に関し報告を求めることができる。

(再承継金融機関等に対する資金援助)

第六十七条    機構は、法第百一条第一項の規定による資金援助の申込みを受けたときは、委員会の議決を経て、次に掲げる資金援助を行うものとする。
一    資産の買取り
ニ    優先株式等の引受け等(法第二条第五項第五号に掲げる会社に対して行うものを除く。)
三    損害担保
2    機構は、前項に規定する資金援助のうち次の各号に該当する再承継(法第百一条第二項に規定する再承継をいう。第三項から第六項までの規定において同じ。)を援助するために行うものは、当該各号に定める者に対して行うものとする。
一    法第百一条第二項第二号に掲げる合併又は同項第六号に掲げる新設分割を援助するために行うもの 当該合併又は当該新設分割により設立される金融機関
ニ    法第百一条第二項第四号に掲げる金融機関又は銀行持株会社等による承継銀行の株式の取得のうち株式移転による取得を援助するために行うもの    当該取得に係る再承継金融機関(同条第一項に規定する再承継金融機関をいう。第三項から第六項までの規定において同じ。)又は当該株式移転により設立される銀行持株会社等
3    第一項に規定する資金援助(同項第一号に掲げるものに限る。)は、再承継金融機関、法第百一条第二項第二号に掲げる合併により設立される金融機関若しくは同項第六号に掲げる新設分割により設立される金融機関の資産(再承継に伴い承継銀行から承継したものに限る。)又は同項第四号に掲げる株式の取得をされた銀行の資産のうち、回収が不可能若しくは困難と認められ、又は価値の低下していると認められる等、再承継を援助するために買取りの対象とすることが適当と認められる資産について行うものとする。
4    第一項に規定する資金援助(同項第三号に掲げるものに限る。)は、再承継金融機関、法第百一条第二項第二号に掲げる合併により設立される金融機関若しくは同項第六号に掲げる新設分割により設立される金融機関の資産(再承継に伴い承継銀行から承継したものに限る。)又は同項第四号に掲げる株式の取得をされた銀行の資産である貸付債権のうち再承継を援助するために損害担保の対象とすることが適当と認められるものについて行うものとする。
5    機構が第一項の規定により再承継金融機関、法第百一条第二項第二号に掲げる合併により設立される金融機関、同項第六号に掲げる新設分割により設立される金融機関又は再承継銀行持株会社等(同条第一項に規定する再承継銀行持株会社等をいう。以下この項及び次項において同じ。)に対し資金援助を履行する時期は、同条第二項第一号から第三号まで、第五号及び第六号に掲げる再承継にあっては再承継を行う日以降の日とし、同項第四号に掲げる再承継にあっては承継銀行の株式を再承継金融機関又は再承継銀行持株会社等が取得する日以降の日とする。
6    第二十六条第五項の規定は第三項の資金援助について、同条第十一項、第三十二条第一項及び第三十五条第二項の規定は第一項の規定による申込みについて、第三十二条第二項の規定は第一項の規定による資金援助の可否の決定について、同条第三項の規定はこの項において準用する同条第一項の規定による決定について、第三十三条の規定はこの項において準用する第三十二条第一項の規定による資金援助を行う旨の決定について、第三十四条第一項の規定は第四項の資金援助について、同条第二項の規定はこの項において準用する同条第一項の契約について、第三十五条第一項の規定はこの項において準用する第三十二条第一項の規定により行う議決について、第三十五条第三項及び第四項の規定はこの項において準用する第三十二条第一項の決定に基づいてした優先株式等の引受け等により取得した優先株式等及び貸付債権について、第三十五条第五項の規定はこの項において準用する第三十二条第一項の決定に基づいてした優先株式等の引受け等により取得した優先株式等について、第三十五条の二及び第三十五条の三の規定は再承継のための資金援助(優先株式等の引受け等に係るものに限る。)を受けた再承継金融機関(当該優先株式等の引受け等に係る合併又は新設分割により設立された金融機関を含む。)又は再承継銀行持株会社等(この項において準用する第三十五条の二第一項の承認を受けた場合における法第百一条第七項において準用する法第六十八条の二第二項に規定する会社及びこの項において準用する第三十五条の三第一項の承認を受けた場合における法第百一条第七項において準用する法第六十八条の三第四項に規定する承継金融機関等を含む。)について、それぞれ準用する。この場合において、第三十二条第二項中「救済金融機関(第二十七条第一項(第三十六条第五項において準用する場合を含む。)に規定する資金援助の申込みを受けた場合には、救済金融機関及び破綻金融機関)、救済銀行持株会社等又は指定金融機関」とあるのは「再承継金融機関(法第百一条第一項に規定する再承継金融機関をいう。以下同じ。)又は再承継銀行持株会社等(同項に規定する再承継銀行持株会社等をいう。以下同じ。)」と、同条第三項中「合併等」とあるのは「再承継」と、第三十四条第一項中「損害担保対象債権を」とあるのは「第六十七条第四項に規定する貸付債権のうち再承継(法第百一条第二項に規定する再承継をいう。)を援助するために損害担保の対象とすることが適当と認められるもの(以下この条において「損害担保対象債権」という。)を」と、「救済金融機関、法第五十九条第二項第二号に掲げる合併により設立された金融機関、同項第六号に掲げる新設分割により設立された金融機関又は同項第四号に掲げる株式の取得をされた金融機関」とあるのは「再承継金融機関、法第百一条第二項第二号に掲げる合併により設立された金融機関、同項第六号に掲げる新設分割により設立された金融機関又は同項第四号に掲げる株式の取得をされた銀行」と、第三十五条第一項中「第三十二条第一項」とあるのは「第六十七条第六項において準用する第三十二条第一項」と、「法第六十四条の二第二項」とあるのは「法第百一条第七項において準用する法第六十四条の二第二項」と、同条第三項中「合併等(法第五十九条第二項第二号」とあるのは「再承継(法第百一条第二項第二号」と、「第三十二条第一項」とあるのは「第六十七条第六項において準用する第三十二条第一項」と、「法第六十四条の二第一項」とあるのは「法第百一条第七項において準用する法第六十四条の二第一項」と、「当該合併等」とあるのは「当該再承継」と、同条第四項中「第三十二条第一項」とあるのは「第六十七条第六項において準用する第三十二条第一項」と、「救済金融機関」とあるのは「再承継金融機関」と、「救済銀行持株会社等」とあるのは「再承継銀行持株会社等」と、「法第六十四条の二第一項」とあるのは「法第百一条第七項において準用する法第六十四条の二第一項」と、同条第五項中「第三十二条第一項」とあるのは「第六十七条第六項において準用する第三十二条第一項」と、第三十五条の二第一項中「第三十二条第一項」とあるのは「第六十七条第六項において準用する第三十二条第一項」と、「救済金融機関又は救済銀行持株会社等」とあるのは「再承継金融機関又は再承継銀行持株会社等」と、「法第六十八条の二第二項」とあるのは「法第百一条第七項において準用する法第六十八条の二第二項」と、「法第六十八条の三第四項」とあるのは「法第百一条第七項において準用する法第六十八条の三第四項」と、「発行救済金融機関等」とあるのは「発行再承継金融機関等」と、同条第二項中「法第六十八条の二第四項」とあるのは「法第百一条第七項において準用する法第六十八条の二第四項」と、第三十五条の三第一項中「第三十二条第一項」とあるのは「第六十七条第六項において準用する第三十二条第一項」と、「救済金融機関又は救済銀行持株会社等」とあるのは「再承継金融機関又は再承継銀行持株会社等」と、「法第六十八条の三第二項」とあるのは「法第百一条第七項において準用する法第六十八条の三第二項」と、同条第二項中「法第六十八条の三第四項」とあるのは「法第百一条第七項において準用する法第六十八条の三第四項」と読み替えるものとする。
7    機構は、法第百一条第六項のあっせん又は同条第七項において準用する法第六十二条第五項の準備行為の実施に関し、内閣総理大臣の求めに応じ、必要な協力を行うものとする。

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