資金の調達及び運用

資金の調達

機構は、勘定ごと(地域経済活性化支援勘定と東日本大震災事業者再生支援勘定を除きます。)に政令で定められた金額の範囲内で、借入れ又は預金保険機構債の発行により、業務の遂行に必要な資金を調達することが認められています(ただし、被害回復分配金支払勘定、休眠預金等管理勘定及び口座情報連絡等勘定は借入れのみです。)。また、被害回復分配金支払勘定、休眠預金等管理勘定及び口座情報連絡等勘定以外の勘定で行う借入れ又は預金保険機構債の発行に対しては、法令に基づき、所要の政府保証措置が講じられています(令和5年度予算総則上の政府保証限度額総額は、72兆円)。

機構では、市場環境や資金需要、資金が必要とされる期間等を踏まえて、借入れ(原則1年まで)と預金保険機構債(2年)の発行を組み合わせた効率的な資金調達に努めています。

令和4年度の資金調達をみると、金融再生勘定における特別公的管理銀行から買い取った株式の発行会社の申し出による公開買付けや、発行会社の自己株式取得に対応した売却及び配当金収入等を受けて、全体の資金調達残高は減少しました(令和3年度末15,057億円→令和4年度末10,863億円)。調達手段別の内訳では、借入残高が前年度に比べ減少したほか、預金保険機構債の発行残高も、償還見合いの資金調達の一部を行わなかったことから、前年度に比べ減少しました(借入残高:令和3年度末257億円→令和4年度末163億円、預金保険機構債の発行残高:令和3年度末14,800億円→令和4年度末10,700億円)。

この間、資金調達の更なる円滑化を目的に、借入入札参加者を対象として資金調達に係る説明会を開催しました。

今後の資金調達も、資金需要を踏まえた効率的な調達に取り組みます。

資金調達残高

(単位:億円、()内は構成比)
  令和2年度末 令和3年度末 令和4年度末
一般勘定
危機対応勘定
金融再生勘定 14,980 10,900 6,900
  うち借入れ 380
うち預金保険機構債 14,600 10,900 6,900
早期健全化勘定
金融機能強化勘定 4,250 4,155 3,960
  うち借入れ 350 255 160
うち預金保険機構債 3,900 3,900 3,800
被害回復分配金支払勘定(借入れ) 2 2 3
休眠預金等管理勘定(借入れ)
口座情報連絡等勘定(借入れ)
合計 19,232(100.0%) 15,057(100.0%) 10,863(100.0%)
  うち借入れ 732(3.8%) 257(1.7%) 163(1.5%)
うち預金保険機構債 18,500(96.2%) 14,800(98.3%) 10,700(98.5%)

(注1) 単位未満四捨五入。

(注2) 口座情報連絡等勘定は、口座登録法及び口座管理法の施行に伴い、令和3年9月1日より設置。

(注3) 機構が資金調達を行わない地域経済活性化支援勘定、東日本大震災事業者再生支援勘定は除く。

資金調達金利(令和4年度実行分)

(単位:%)
  借入金利
(政府保証付)
預金保険機構債応募者利回り
(政府保証付)
借入金利
(政府保証なし)
(被害回復勘定)
2年債
平均(注2) 0.000 -0.065 0.122
  ピーク 0.000 -0.059 0.140
ボトム 0.000 -0.074 0.100

(注1) 単位未満四捨五入。

(注2) 金額加重平均。

資金調達残高の推移

(単位:億円)
年度末 平成10 11 12 13 14 15 16 17 18 19
合計 158,502 168,450 191,786 199,784 208,736 198,791 168,704 127,916 93,010 69,744
  借入金 158,502 162,450 173,786 163,784 147,536 108,791 46,904 6,416 4,510 5,244
預金保険機構債 6,000 18,000 36,000 61,200 90,000 121,800 121,500 88,500 64,500
(単位:億円)
年度末 20 21 22 23 24 25 26 27 28 29 30
合計 60,724 54,849 40,923 28,380 28,375 25,857 22,476 21,197 20,899 20,617 19,944
  借入金 15,224 15,349 4,623 9,080 9,075 6,557 4,176 2,897 4,599 2,817 2,944
預金保険機構債 45,500 39,500 36,300 19,300 19,300 19,300 18,300 18,300 16,300 17,800 17,000
(単位:億円)
年度末 令和元 2 3 4
合計 19,634 19,232 15,057 10,863
  借入金 934 732 257 163
預金保険機構債 18,700 18,500 14,800 10,700

預金保険機構債の年度別発行額の推移

(単位:億円)
年度 平成11 12 13 14 15 16 17 18 19 20 21 22 23
合計 6,000 12,000 18,000 25,200 38,400 51,000 28,500 3,000 2,000 5,000 10,500 7,800 2,000
  4年債 6,000 12,000 14,400 18,000 18,000 21,000 14,500 3,500 5,000 2,000
2年債 3,600 7,200 14,400 18,000 8,000 3,000 2,000 5,000 7,000 2,800
7年債 6,000 12,000 6,000
(単位:億円)  
年度 24 25 26 27 28 29 30 令和元 2 3 4 5(計画)
合計 8,800 3,500 6,800 2,000 6,800 5,000 6,000 5,700 5,800 2,800 2,000 800
  4年債 6,000 3,500 4,000 2,000 4,000 3,000 4,000 2,200 3,700
2年債 2,800 2,800 2,800 2,000 2,000 3,500 2,100 2,800 2,000 800
7年債
 

余裕金の運用

機構では、法令等に従い、各勘定の余裕金について資金使途等に十分留意しつつ、安全性・流動性を重視した効率的な資金運用に努めています。令和4年度においては、日銀の金融緩和政策が継続する中、下期における市場金利の上昇局面を捉えて、2年物中期利付国債の買切取引による運用を行いました。

今後も、資金運用に際しては、安全性・流動性を重視した運用に努めます。

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