預金保険機構中期目標(2017~2019年度)

2017年4月1日
預金保険機構の使命

預金保険機構は、預金者等の保護及び破綻金融機関に係る資金決済の確保を図るため、預金保険制度を確立し、信用秩序の維持に資する、との預金保険法の目的達成に向けて、預金保険制度を適切に運用すること等(注)を使命としている。

(注)

この他、金融機能強化法に基づく資本参加業務、振り込め詐欺救済法に基づく公告業務、休眠預金等活用法に基づく休眠預金等管理業務等も担っている。

 
預金保険機構を取り巻く環境と課題

預金保険制度は、預金保険法により、1971年に少額預金者の保護の仕組みとして創設された。預金保険機構も、同法に基づき設立され、金融セーフティネットの運営主体として、これまで180を超える金融機関の破綻処理を行ってきた。

1990年代、我が国は、バブルの崩壊とともに深刻な金融危機を経験し、公的資金の投入を含む様々な対策が講じられることとなった。危機を克服していく中で、善意かつ健全な借手に対する金融仲介機能の確保の必要性が強く認識され、金融整理管財人、承継銀行、特別危機管理銀行等の制度が導入された。2005年には、預金の全額保護から定額保護への完全移行が行われ、この間、資金決済の確保のための決済用預金制度が導入された。2008年のリーマンショックに象徴される世界的な金融危機以降は、再発防止に向けた金融規制に関する国際的な議論が行われ、得られた合意等に対応する各国での制度化への取組みも進められてきた。我が国においても、金融システム安定のための資産及び負債の秩序ある処理の枠組み等が導入された。

その後、金融情勢は落ち着きを取り戻し、我が国においては、2010年の日本振興銀行の破綻以降は新たな破綻が発生していない。同行の破綻処理は定額保護により行われ、2016年に再生計画に基づく最終の弁済金の支払が実施されたところである。

この間、金融システムを巡る環境は大きく変化してきた。経済活動の国際化やITの進展等により、金融商品、金融活動、金融機関業務等の多様化、高度化等が著しい速度で進み、これらに対応する施策も講じられてきたほか、将来を展望した様々な議論も行われている。預金保険機構は、これらの事態の進展も展望しながら、金融機関の破綻処理への対応力を強化していくことが必要である。金融機関においても有事の際の適切な対応力を平時の段階から整備していくことが必要であり、このため、預金保険機構が関係機関との連携を強化していくとともに、適切な働きかけも行っていくことが重要である。

金融取引の国際化への対応のためには、国際預金保険協会(IADI)等の活動への貢献や海外関係機関との連携強化に努めていくことが重要であるとともに、ITの進展等の対応のためには、預金保険機構の活動の基盤の一つである各種システムの整備と高度化に取り組んでいくこと及びセキュリティ水準の一層の向上を図っていくことが重要である。また、金融機能強化法による資本参加業務や、振り込め詐欺救済法に基づく公告等の社会公正確保に資する金融支援業務を、適切に行っていくことも求められている。

 
2017~2019年度を対象とした中期目標

以上を踏まえ、業務を運営するに当たっての指針として、以下のとおり2017~2019年度を対象とした中期目標を定め、業務遂行・改善の基本的方向付けを行うものとする。

(預金者保護への取組みと金融機関等の破綻処理等)
1.

金融商品、金融活動、金融機関業務等の多様化、高度化や、これらに対応する施策の動向等を踏まえ、預金保険制度の運用に関連する諸課題の整理・検討を行い、あらゆる事態に対応する預金者保護や破綻処理等の態勢を整備・強化する。

また、破綻処理業務システムについて、確実・円滑な業務処理の実現に向けて、整備・改善を図る。

2.

金融機関における有事の際の対応力に係る平時の態勢整備のフォロー及び働きかけに努め、各金融機関に対し必要な助言等を行う。預金保険機構が実施する検査については、破綻処理手続に影響のある事項に焦点を当てるとともに、オフサイトでのモニタリングを充実していくこと等により、効率的かつ効果的な実施を図る。

3.

破綻金融機関等から取得した資産の適切な管理・処分を行う。

協定銀行が行う整理回収業務を支援するとともに、破綻金融機関の経営者に対する責任追及等の業務の整備・強化に努める。

4.

国際預金保険協会(IADI)の活動への積極的な参加をはじめとする海外預金保険機関等との連携強化に努める。また、預金保険制度等に関する国際的動向について調査研究活動を行う。

(資本参加関連業務への対応)
5.

金融機能強化法に基づく資本参加については、申請金融機関、関係当局と連携して適切に対応する。

(金融業務支援への対応)
6.

金融機関が保有する特定回収困難債権の買取り等業務の適切な実施、反社会的勢力に係る照会システムの適切な構築・運用、振り込め詐欺救済手続に係る公告等の被害者救済対策の適切な実施に積極的に取り組む。

新たに預金保険機構において行うこととされた休眠預金等管理業務の実施に向けた準備を行うとともに、当該業務を適切に実施する。

(健全かつ適切な業務運営等)
7.

各種システムの整備・改善、情報セキュリティ対策の強化に努める。

8.

財務の健全化、組織の効率的な運営、コンプライアンス態勢の強化に努め、環境変化にも的確に対応する。

9.

整理回収機構等の関係会社との連携を図り、必要に応じた指導・助言等を行う。

10.

災害発生時における業務継続体制の確立を図る。

11.

預金者及び国内外の関係者に対する情報発信の充実を図る。

 
各年度の業務方針との関係

各年度の業務方針は、この目標とその時点での実施状況及び前年度以前の業務方針の実施状況や評価を踏まえて策定する。

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