預金保険機構業務方針 (対象期間:2018年4月~2019年3月)

2018年4月1日

Ⅰ 預金保険機構を取り巻く環境を踏まえた課題

預金保険機構(以下「機構」という。)は、金融機関業務等の多様化等を踏まえ、継続的に預金保険制度の運用の改善を行い、破綻処理への対応力強化を図る。
 また、金融取引の国際化に対応し、海外預金保険機関等との連携・協力を推進する。さらに、ITの進展等を踏まえ、引き続き各種システムの整備・改善に努める。
 

Ⅱ 2018年度業務方針

以上を踏まえ、業務を進めていくに当たっての指針として、以下の通り2018年度を対象とした業務方針を定める。

1.預金者保護や破綻処理等におけるあらゆる事態に対応する態勢の整備・強化

破綻処理スキームと金融整理管財人業務について、預金者保護の観点に立ち、金融商品、金融活動、金融機関業務等の多様化、高度化等に沿った対応ができるよう、預金保険制度の運用に関連する諸課題の整理・検討を行いつつ、継続的に運用の改善を行うなど破綻処理への機構の対応力の維持、強化を図る。
 また、金融機関等の資産及び負債の秩序ある処理に関する措置について、引き続き関係当局等と連携しつつ、対応力の強化を図る。

金融整理管財人業務の質的向上を図り、有事の際の適切な対応力を平時の段階から整備していくために、関係当局や金融関係団体等との連携を更に深めるとともに、実務訓練・研修等を充実・強化する。

確実かつ迅速な破綻処理を実行する観点から、破綻処理業務システムの安定稼働を実現するとともに、更なるシステム改善を図る。

2.金融機関における有事の際の対応力に係る平時の態勢整備のフォロー及び働きかけ

確実かつ円滑な破綻処理を実行するため、平時より必要となる措置について、金融機関が適切に対応するよう、「立入検査」「改善ヒアリング」「システム検証」「研修・助言等」を通じて働きかけを行う。また、関係当局と連携し、金融機関の態勢整備の状況についてもフォローを行う。
 なお、立入検査においては、立入検査先の選定や検証範囲・深度にメリハリをつけるとともに、機構の実施する各施策を通じて確認した事項を活用することに加え、オフサイトでのモニタリングを充実していくことにより、検査の実効性・効率性を向上させる。

3.破綻金融機関等から取得した資産の適切な管理・回収、処分及び責任追及等

破綻金融機関等から取得した債権については、顧客保護の観点も踏まえつつ、適切な管理・回収を実施するよう、整理回収機構に対して必要な指導・助言を行う。
 また、破綻金融機関等から取得した株式等については、国民負担の最小化の観点、市場への影響等を踏まえつつ、適切に管理・処分を行う。

返済を拒み資産情報の開示にも応じない不誠実な債務者や反社会的勢力等が関与するなど悪質な案件に重点を置き、調査案件の的確な選定及び深度ある財産調査並びに回収に関する指導・助言を適切に実施することにより、整理回収機構の債権回収の極大化を支援する。
 また、反社会的勢力等が関与するものを含め悪質な回収妨害案件に対しては、同機構とより緊密な連携を図り、必要な支援を行いつつ、厳正に対応する。

破綻金融機関等に係る徹底した調査を実施して破綻に至る経緯等の解明に努め、民事・刑事上の責任追及業務を適切に実施する。加えて、破綻処理時に即応できる態勢の整備及び調査手法の向上に努める。

4.海外預金保険機関等との連携強化、調査研究活動

国際預金保険協会(IADI)の会長機関として、IADIの運営や各種活動に主導的立場で参画し、預金保険機関の国際的な連携・協力を推進する。
 協力書簡の交換(EOL)や覚書(MOU)の署名、人事交流等により、海外預金保険機関との情報交換・技術協力等の相互強化を目指す。また、預金保険制度の新規導入・強化を検討している諸外国に対する技術支援を継続する。

各国・地域の預金保険制度の改革の動向や国際機関による国際協調に向けた取組み状況等、機構の業務に関連する事項について調査研究を行い、各界の関係者等にその成果を提供する。

5.資本参加関連業務への対応

金融機能強化法に基づく金融機関等からの資本参加(申請期限:2022年3月31日)の申請に対しては、関係当局と連携して適切に対応する。また、同法に基づき引受け等を行った株式等については、適切に管理・処分を行う。

6.金融業務支援への対応

特定回収困難債権の買取り等業務については、金融庁や関係団体と連携しつつ、必要に応じて制度運用の改善を図り、金融機関に対し制度の積極的な活用を促しながら、業務を着実に実施する。

金融機関からの照会に応じて反社会的勢力に係る情報を提供する業務の適切な運用に努める。

振込利用犯罪行為の被害者の財産的被害の迅速な回復に資するため、関係省庁や関係機関・団体と連携しつつ、適切かつ円滑な公告を実施するとともに、預保納付金の適切な支出に努める。

休眠預金等移管金の収納等に係る事務手続の整備、支払等委託業務に係る業務内容の金融機関との調整及び休眠預金管理システムの構築を引き続き進める。

7.各種システムの整備・改善、情報セキュリティ対策の強化

ITガバナンスについて引き続き強化を図り、機構保有の各種システムの整備・改善に努める。

近年、特に巧妙化・複雑化するサイバー攻撃の脅威に対し、機構における情報セキュリティに係るリスクを網羅的に評価・把握し、必要な取組みを効果的に実施することにより、更なる情報セキュリティ水準の向上を図る。

8.財務の健全化、組織の効率的な運営、コンプライアンス態勢の強化

機構の財務の健全化や財務に関する業務の合理化に取り組みつつ、金融機関破綻処理等に適切に対応できる予算作成・執行管理を行う。

機構の財務の状況を踏まえ、長期的に機構の財政(一般勘定)が均衡するよう適切な保険料率を定める。

資金運用は、厳しい運用環境の下、引き続き安全性・流動性を重視しながら、適切な運用に努める。資金調達は、資金需要を踏まえた効率的な調達に取り組む。

業務方針及び環境変化に対応した組織・人員体制の的確かつ効率的な運営に努める。

役職員のコンプライアンスに対する意識を向上させ、より適切な行動が定着するよう研修等の実施に努める。

9.関係会社との連携

整理回収機構の業務が適切に実施されるよう、必要な指導・助言を行う。また、整理回収機構のサービサー機能を活用した反社債権の回収業務についても、引き続き、連携を図っていく。

地域経済活性化支援機構及び東日本大震災事業者再生支援機構の業務の適正かつ効率的な実施に協力する。

関係会社に対する株主議決権の行使に際しては、法令等の目的に沿った業務運営が行われているかなどの点に留意し、関係当局と連携しつつ適切に行使する。

10.災害発生時における業務継続体制の確立

災害が発生した場合において、破綻処理に係る業務を円滑に行うための業務継続体制の確立に努める。

資金決済等に関する業務を適切に遂行できるよう、引き続き関係部署及び関係機関と連携して業務継続訓練等を実施し、機構の強固な業務継続体制を構築する。

11.預金者及び国内外の関係者に対する情報発信の充実

預金保険制度及び機構の役割や業務等について、預金者等の理解をより一層深めるため、各種媒体を活用し、預金者等の目線に立った分かりやすい広報の実施に努める。また、金融機関等と可能な限り双方向の情報交換ができる環境整備に努める。

日本の預金保険制度及び機構の活動について広く国外の関係者に情報発信するため、引き続き「預金保険機構年報」の英語版を作成するとともに、機構ホームページの英語版において、掲載事項の充実を図る。

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