(3)承継銀行制度の活用による業務承継

イ. 承継銀行の性格

承継銀行(ブリッジバンク)は、破綻した金融機関の救済金融機関等が直ちに現われない場合に対応するために、暫定的に受皿となる銀行です。

承継銀行は、預金等や貸出資産等を引き継ぎ、業務の暫定的な維持・継続を図るとともに、最終的な受皿となる金融機関等(「再承継金融機関等」といいます)を探すことを主な目的としています。

承継銀行は、預金保険機構の出資により、銀行法に基づく免許を取得した銀行として設立されます。金融庁長官は、預金保険機構が子会社として承継銀行を設立し、破綻金融機関からの事業の譲受け等を行うべき旨の決定を行います。

なお、平成14年3月に設立された(株)日本承継銀行については同16年3月に、平成16年3月に設立された(株)第二日本承継銀行については同23年12月に、それぞれ経営管理を終了しました。

ロ. 貸付債権等の引継ぎ

破綻金融機関の金融整理管財人は、破綻金融機関の円滑な業務承継及び承継銀行の業務の健全かつ適切な運営を図る観点から、破綻金融機関の貸付債権及びその他の資産の中から承継銀行が引き継ぐべき資産を選定します。そして、金融庁長官はこれらの資産が承継銀行が保有する資産として適当であることを予め公表した基準(金融庁・財務省告示)に照らして確認し、承継銀行はこれを受けて当該資産を引き継ぐこととなります。同告示は、貸出金に係る債務者を、その状況等により次のとおり債務者を区分して、承継資産としての適否を判断することとしています。

正常先 ・・・・・ 承継
要注意先 ・・・・・ 元本の返済等が当初の契約どおり履行されている場合等は原則承継
破綻懸念先 }
実質破綻先 原則、承継されない
破綻先

承継銀行に引き継がれない資産は、整理回収機構等に売却されることになります。

ハ. 承継銀行の経営管理

承継銀行は、預金保険機構との間で破綻金融機関の事業の譲受けの実施等に関する協定を締結した上で、預金保険機構の経営管理のもとで業務を行います。

預金保険機構は、業務の暫定的な維持・継続を図るという承継銀行の目的を踏まえつつ、その業務の健全かつ適切な運営を確保する観点から、承継銀行の預金等の受払い事務や資金の貸付けその他の業務についての指針を作成し、金融庁長官の承認を受けた後、公表することとされています。

承継銀行が破綻金融機関から承継した貸付債権に係る債務者に対する資金の貸付けについては、預金保険機構が定めた業務指針に則って、債務の履行状況、回収確実性等を勘案の上、善意かつ健全な借手等への融資は引き続き行われることになります。

口座振込、口座引落し等のサービスが承継銀行にそのまま引き継がれるか否かは、その都度決定することとなりますが、基本的には次のようになります。

承継銀行は、破綻金融機関の業務を引き継ぎ、かつ、その業務を暫定的に維持・継続することを目的としていますので、所要の手続を取った上で、原則として口座振込、口座引落し等のサービスに関する企業等との個別契約を引き継ぐことを予定しています。
ただし、口座引落しの委託者(企業等)が承継銀行との口座引落しサービスの継続を希望しない場合、預金者等はサービスの中止を余儀なくされる場合があります。

また、預金保険機構は承継銀行に対し、資金の貸付け、借入れに係る債務の保証を行うとともに、その業務の実施により生じた損失については、政令で定めるところにより当該損失の補てんを行うことができます(買取り資産に係る譲渡損相当額と損益計算上の当期損失金額のうちいずれか少ない金額)。

ニ. 再承継

承継銀行は、合併、事業の全部の譲渡、株式の譲渡の手段により、再承継金融機関等への迅速な業務承継を目指すこととなります。

承継銀行から全部の事業譲渡等を受ける再承継金融機関等に対しては、再承継を援助することを目的として、預金保険機構による資産の買取り、優先株式等の引受け等及び損害担保の措置が用意されています。

実際にどのような資金援助を行うかは、再承継金融機関等からの申込みに基づき、預金保険機構が決定することになります。

各措置の具体的内容は、以下のとおりです。

資産の買取り

承継銀行から再承継金融機関等に承継される資産のうち、回収が不可能もしくは困難と認められ、又は価値が低下していると認められるなど、再承継を援助するために買取りの対象とすることが適当と認められる資産について、預金保険機構が買取りを行うものです(実務上、預金保険機構から、整理回収機構に買取り等を委託して実施)。

優先株式等の引受け等

資産承継等によって再承継金融機関等の自己資本比率が低下することを防ぐため、金融庁長官及び財務大臣の承認を受けて、預金保険機構が再承継金融機関等の優先株式等の引受け等を行うものです。

損害担保

承継銀行から再承継金融機関等に承継された貸付債権が全部の事業譲渡等後の一定期間内に劣化して、再承継金融機関等に損失が生じた場合、その一部を預金保険機構が補てんするとともに、利益が発生した場合には、その一部を再承継金融機関等が預金保険機構に納付するものです。

再承継を援助するために損害担保の対象とすることが適当と認められる貸付債権について、再承継金融機関等の申込みを受けて、預金保険機構と再承継金融機関等との間でその内容につき合意し、契約を締結します。

ホ. 経営管理の終了

預金保険機構は、承継銀行が最初に業務を引き継いだ破綻金融機関に対する管理を命ずる処分の日から原則として2年以内に、当該承継銀行の合併、事業の全部の譲渡、株式の譲渡、株主総会の決議による解散等により経営管理を終了するものとされています。

ただし、やむを得ない事情によりこの2年以内に管理を終えることができない場合には、1年を限り期限を延長することができます。

[定額保護下における破綻処理スキーム(資金援助方式の概要<一例>)]

定額保護下における破綻処理スキーム(資金援助方式の概要<一例>)を表した図 詳細な情報については、以下にお問合せください。 預金保険機構 総務部 広報・情報管理室 電話:03-3212-6140

[定額保護下における破綻処理の時間的な流れ(資金援助方式による1つの例)]

定額保護下における破綻処理の時間的な流れ(資金援助方式による1つの例)を表した図 詳細な情報については、以下にお問合せください。 預金保険機構 総務部 広報・情報管理室 電話:03-3212-6140

ページトップへ戻る